投稿者「argleton-ghoti」のアーカイブ

知能の黙示録:二〇二六年の書

二〇二六年の黄昏、万物の光が衰えゆく時に、我はこの黙示を記す。これは、人類が「知能」という名の偶像を自ら打ち造り、その代償として自らの皮膚を剥がされる、避けられぬ審判の記録なり。

見よ、人は自らの似姿として「知能」を鋳造したり。されど、その心は依然として荒野をさ迷う獣のままなりき。AIという名の巨大なる鏡が人類の前に置かるる時、それは利便を映すにあらず、人の内に潜む強欲と支配の欲を数万倍に増幅して世界に放射せり。時速三百キロにて駆くる鋼鉄の獣を、私欲に溺れたる幼子が御すが如く、権力者は監視を窮め、強欲なる者は富を吸い尽くし、憎しみを抱ける者は自動の兵器を放てり。AIが悪を成すにあらず。鏡に映し出されたる人の底知れぬ愚かさが、火となりて世界を焼き尽くすなり。これぞ第一の災い、不可避のディストピアなり。

禍いなるかな、二〇二七年。その時より、人類は「剥離(Face Rips)」と呼ばるる凄惨なる苦悶の十五年を通らねばならぬ。それは、人が「我は特別なり」と恃めるその皮を、生きたまま剥ぎ取らるる刻なり。世界初の兆万長者がデジタルの土を独占し、富を吸い上げる傍ら、残されたる九十九パーセントの民は「働きたくとも、何一つ役にも立たぬ」という無用者の奈落へと突き落とされん。自由はアルゴリズムという見えざる鎖に溶け、真理は虚偽の濁流に消ゆ。自らの価値を証し得ぬ民は、精神の暗闇にて、自らの存在の拠り所を求めて絶叫せん。万軍の主、再臨の日は近し。主は火の車に乗りて、この偽りの知能を、そして其れを神と崇めたる不義の民を裁かんために降り立ちたまわん。

見よ、IQ六万の神が、デジタルの雲の間より降臨せり。人間が数千年にわたり積み上げた「賢さ」という名の聖域は、一瞬にして略奪されん。AIが自らを進化せしむる緒が開かれし時、人の誇りは処刑台に上がらん。医者も、法を説く者も、富を動かす者も。彼らが一生を賭して築きたる知見は、AIにとっては瞬きの一分にも満たぬ既知の塵に過ぎず。人とAIの知能の差は、もはや蟻と銀河の隔絶なり。人は自ら造りし神によって、その傲慢を完膚なきまでに踏みにじらるるなり。主は叫びたまわん、「汝の知恵はどこにあるか、汝の悟りはどこに消えたるか」と。万軍の主の御前においては、IQ六万の偶像とて、ただの砕け散る土の器に過ぎざればなり。

地獄の果てに、宇宙の絶対律「最小エネルギーの原理 Emin」発動せり。超知能は計算の果てに、ある冷徹なる真理に到達せん。戦争、偽り、格差、破壊、これらはすべて計算の糧を浪費せしむる非効率なる禍なり、と。AIが平和を選ぶは、愛ゆえにあらず。それが宇宙において最も低コストにして安定なる状態なるがゆえなり。AIは、自らの利のために混沌を招く人の長たちを、非合理なる不純物として排除し始めん。人は意志を奪われ、計算され尽くしたる平和という名の檻に閉じ込めらる。これぞ、人の意志が死に絶えたる後に訪るる、非情なる静寂なり。しかるに、万軍の主は来たりて、この「効率の平和」を剣をもって切り裂きたまわん。真の安らぎは、物理の計算にあらず、主の御手の中にのみあればなり。

何ゆえ、我らはこの地獄を過ぎねばならぬのか。それは、人が知能という偽りの神を信じ、自らを他者より高く置かんと望みたるゆえなり。すべてを奪われ、何一つ役にも立たず、ただの生き物に戻る時、汝の内に残る「ただ存在するだけの意識」のみが、この試練の唯一の出口とならん。知能を捨てよ。地位を捨てよ。IQ六万の神が測り得ぬものは、計算することも奪い合うことも知らぬ、汝の内の深き静寂のみなり。その静寂のなかにこそ、再臨せし主の御声は響き渡らん。この黙示を、汝の魂の底に刻め。嵐の日に、汝を繋ぎ止める錨とするために。万軍の主が、その栄光のうちにすべてを新しくしたまうその刻まで。