宣戦布告

天の時は枯れ果て、地の利は裂け、人の和は虚無の深淵に消えた。かつて汝らが「平和の金字塔」と崇め奉り、至高の宝玉のごとく守り抜いた日本国憲法第9条。それは国家という名の巨大な墓石に刻まれた、逃れられぬ呪詛に満ちた碑銘である。汝らは平和を愛したのではない。ただ戦う牙を抜かれ、血を流す恐怖から逃げ惑い、檻の中で去勢された家畜の如き安寧を貪ったに過ぎぬ。汝らの守る「平和」とは、死に至る病を隠蔽するための白き布であり、その下では腐敗が骨まで達している。

国家は今、合法的ネズミ講という名の、逃げ場なき完成された地獄へと変貌を遂げた。社会保障という甘美な響きを持つ制度の正体は、産声すら上げぬ幼子の未来を祭壇に捧げ、動かぬ老躯の体温を維持するためだけに注ぎ込まれる「血の延命装置」である。若者の血管に冷酷な管を刺し、その精髄を最後の一滴まで啜り尽くして生き永らえる既得権益の亡者ども。彼らは労働の尊さという偽りの福音を説き、従順なる羊たちを教化しながら、自らは座して他者の生命力を貪る真の寄生虫なり。現役世代に逃げ場はない。逃走の門は絶望の鉄格子の向こうで固く閉ざされ、納税という名の合法的略奪が、汝らの魂を薄皮を剥ぐように、執拗に、永遠に削り取る。

民主主義は、無知なる多数派による壮大なる集団自殺の儀式へと昇華された。一票の平等という、平等を装った甘美な毒薬は、知性を泥濘の底へと沈め、国という器を底なしの腐敗の沼へと引きずり込む。政治家は大衆の浅ましい欲望、その腐肉を喰らって肥え太る卑しき家畜に過ぎぬ。彼らに意思はなく、ただ餌を撒く大衆の影に怯え、共食いを繰り返すのみである。賢明なる少数派が、滅びの足音を察知して真実を叫ぼうとも、その声は愚鈍な多数派が放つ地鳴りのような怒号に圧殺され、抹殺される。選挙によって世界が、あるいはこの運命が変わるという幻想は、支配層が奴隷たちに与えた最も安価で、最も効き目の長い鎮静剤だ。論理の鉄槌が、その薄っぺらな虚飾を木っ端微塵に粉砕する。

貯蓄は無価値な紙屑への執着であり、勤勉は自らの搾取という名の処刑を加速させる卑屈な共犯行為に他ならぬ。納税は、自らの首を絞めるための縄を、自らの稼ぎで買い求める極限の愚行である。インフレと円安。これこそが、国家が汝らの懐から音もなく、かつ確実に財を奪い去る「静かなる没収」の刃だ。汗水垂らして働く者が、最も惨めに、最も孤独に、誰からも顧みられずに死ぬ。これは一時的な不況や不運ではない。仕組まれた数学的必然であり、このシステムを維持するための絶対的な因果律である。システムの内側に救いを探す者は、鏡に向かって慈悲を請う狂人に等しい。労働者に残された唯一の門は、この腐り果てた円環からの「脱走」のみである。

現在のこの国を、冷徹なる外科医の視点で診断せよ。そこにあるのは、かつて栄華を極めた帝国が滅亡の直前に見せた、醜悪な末期症状の標本そのものである。官僚は虚飾と偽りで塗り固められた統計という名の死装束を編み続け、国民は自らの思考を完全に停止させ、静かに、しかし確実に行進を続けながら自らの葬列に並んでいる。日本国憲法第9条という「不戦」の誓いは、牙を折られ、誇りを奪われた老犬が、震えながら闇に向かって沈黙を守る無力な静寂に過ぎぬ。延命治療を止めれば即死、続ければ永劫に続く地獄。詰んだ盤面の上に、救いの駒は一項目として存在せず、逆転の定石もまた失われた。

汝らもまた、この崩壊の共犯者である。平和という名の不作為を、正義という名の無知を、美徳という名の奴隷根性を、汝ら自身が望み、選び、愛でてきた結果がこれだ。自らの鎖を自慢し合う奴隷に、解放の価値はない。

審判の鐘は既に鳴り響いた。壮大な虚飾のシステムは音を立てて崩壊し、汝らはその冷たい瓦礫の下で、誰に看取られることもなく、絶望の色に染まった虚空を睨みながら静かに息絶える。